はじめに:数字が語る「待ったなし」の未来
こんにちは。株式会社TSIの船着です。
先日、あるデータを目にしました。人口統計学において、人口を維持するために必要な出生率は「2.07」と言われています。現在の日本はこの数字を大きく下回り、減少の一途をたどっています。
ニュースでは年金や社会保障の問題ばかりが取り沙汰されますが、私たちライフサイエンス業界に身を置く者にとって、この問題はもっと切実な「ビジネスリスク」そのものです。
「人口が減る」=「日本市場が縮小する」。 この不可避な現実を前に、製薬企業、バイオベンチャー、そしてCRO(開発業務受託機関)はどう立ち回るべきか。今日は、リスクマネジメントのプロである「専門保険代理店」の視点からお話しします。
1. 治験のフィールドは「海外」へ。保険はついてきていますか?
日本の人口減少が進むと、何が起きるか。国内だけでは十分な被験者を集めることが困難になります。すでにその傾向は顕著で、多くのクライアント様が「国際共同治験」や「海外での単独治験」へと舵を切っています。
ここで問いたいのが、「ビジネスは国境を越えたのに、保険は日本仕様のままではありませんか?」ということです。
現地の法規制、賠償の慣習、訴訟リスク。これらは国ごとに全く異なります。日本の代理店が手配した一般的な賠償責任保険では、海外の予期せぬトラブルに対応できない「穴(カバー漏れ)」が生じるケースが多々あります。
TSIは、海外の専門家とも連携し、各国の規制に適合した「グローバル保険プログラム」を構築することができます。
海外進出は、攻めの戦略です。だからこそ、足元をすくわれないための「守り」もグローバル基準にアップデートする必要があります。
2. 「人手不足」が生む新たな賠償リスク
人口減少のもう一つの影は、深刻な「人手不足」です。 少人数の精鋭で業務を回さざるを得ない現場では、一人ひとりの負担が増加します。これは単なる労務問題にとどまらず、企業経営を揺るがす「賠償リスク」へと直結します。
-
過重労働によるメンタルヘルス不調や労災訴訟
-
余裕のなさからくるハラスメント問題
-
未熟練者の業務ミスによる、専門職業上の賠償事故(E&O)
これらは、人口減少社会における「必然のリスク」です。 従業員を守り、会社を守るための「雇用慣行賠償責任保険(EPLI)」や「専門職業賠償責任保険」は、もはや福利厚生ではなく、企業の生存を守るための「防具」と言えるでしょう。
3. 専門保険代理店の決定的な違い
このような複雑な時代において、保険を選ぶパートナーも「選び方」を変える必要があります。
特定の保険会社の商品を売る「代理店」の枠を超えた「専門保険代理店」は、「お客様(起業側)」の味方として、買い手側の代理人としてベストな保険を調達する役割を担います。
既存のパッケージ商品ではカバーしきれない、御社特有のリスク(治験、海外展開、専門業務)に合わせて、保険会社と交渉し、オーダーメイドの補償を設計する。それが私たちの仕事です。
おわりに
人口減少という大きな波に逆らうことはできません。しかし、その波を予測し、装備を整えることで、波に乗ることはできます。
ライフサイエンス業界特有のリスクに精通したブローカーとして、御社の「次の挑戦」をリスクマネジメントの側面から支えます。 現状の保険内容に少しでも不安がある経営者様、担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。
ライフサイエンス。バイオテクノロジー業界 賠償責任保険専門
株式会社TSI 船着久稔
funatsuki@tmnf-tsi.co.jp



