先日の治験での死亡事例による賠償判決について、色々と調べています。
興味深いのが問題の補助人工心臓「エバハート」。
国循でも問題が起きていたんですね。
しかし、その後の対応で訴訟に至らなかったようです。今回、女子医大が被告となった背景には「調査拒否」が存在したようで、これが賠償判決に至ったようです。
ところで、依頼者である「サンメディカル」は「エバハート」の開発者の医師の兄が社長を務めているようで、これまた公正な治験??と首をかしげることであり、判決に影響したのかもしれません。
TSI目線では、依頼者である「サンメディカル」社は当然治験PL保険に加入していたでしょう。
今回の死亡原因はプロトコール記載から逸脱した被験者に対した治験で、被験者選定やモニタリングにCROが関わっていると、今回被告とならなかったものの治験PL保険引き受け保険会社から「求償」される可能性があるんですね。
それ…から、一般的に施設はIRBで依頼者に対し「保険付保」を求めて安心しているものですが、それだけでは不十分ということが示された点も、見逃せない点です。
先日、世界のライフサイエンス業界でどんな賠償が問題になっているかを学んだのですが、海外(とくにアメリカ)で、治験を行う施設は、そのための「賠償保険」に加入しているとのことでした。
日本の場合は、施設は圧倒的に強いですから「自分が賠償責任を負わされる」という考え方は皆無なのが実態です。
TSIが「グローバル化するリスク」をうたっていますが、国内の施設や大学病院も臨床に対する訴訟リスクには、そろそろ気を使った方が良いのではないかと感じました。
本件はグローバルとは無関係ですが、施設への賠償は、先日のアメリカの話と相まって非常に興味深いこれからのリスクなのでしょう。
TSI(Team Super Insurance)船着久稔