グローバルリスク

ディオバン、ブロプレス、健康被害が起こらなくて良かったですね。
まあ、日本らしいと言えば日本らしいです。
 さて、このようなことがアメリカで問題になるとどんなことになるのでしょう。
想定してみました。
まず、処方されている患者たちがは「健康被害を及ぼす可能性を隠ぺいして企業利益を優先した」として訴訟を起こしたとしましょう。陪審員たちは、原告(患者)被告(製薬会社)双方の主張から判決を出しますが、今回の両ケースについては、企業利益の優先。患者の健康被害想定の軽視。により、アメリカ特有の「懲罰的賠償」が認められ、それは恐ろしい賠償金を支払え。等という判決がされるのではないでしょうか。
私は「法律家」ではないので、詳しい方は逆にご教示ください。

日本は平和ですし、こういった問題にはとても甘い国ですから、仮に患者が「薬を飲んでいることで精神的に不安を感じた」「正しいデーターを開示されないことで、処方したが、患者から信用を失墜させられた」などと、患者やドクターが訴訟を起こしたとしても、健康被害が無いなら、取るに足らない扱いですむのでしょう。
現実に「大した問題ではない」と言う先生もいらっしゃいました。

しかーし!我が国のライフサイエンス産業はグローバル化を目指しているのです。
産業として世界に飛び立とうとしているのです。
バイオベンチャーや研究者のみなさん。
グローバル化するメリットは同時にリスクもグローバル化するということを十分理解して発展してください。

海外での事故事例や保険金支払い事例等、興味がありましたらご連絡を。
少なくても「日本の常識」はつようしません。

TSI(Team Super Insurance)船着久稔

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ラボ施設の事故(賠償)

先日の講演でもお話しさせていただきましたが、懸念していたことが表沙汰になってきました。
やはり施設も想定外の事故に備える必要が有りそうです。
もし、この件で周辺の住民が不安を訴え慰謝料を求めた。商店が休業して損害賠償を求めた…
考えられないことでは無いのです。

iPS細胞の世界的な研究拠点として知られる京都大iPS細胞研究所の付属動物実験施設で、実験用のマウスが過って飼育室から運び出され、器具などの洗浄室で相次いで発見されていたことがわかった。大学が承認した実験計画では想定されていない事態で、中には、生きた遺伝子組み換えマウスも複数含まれていたことから、文部科学省は昨年末、京都大に口頭で厳重注意した。

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CROのリスク

日本初のCRO保険は、今から12年前に商品化された。
関わった私は、当時「CROのリスクは訴訟リスクであり、被験者への賠償は無いだろう」と考えていた。概ね誤りではなく、開発した商品で7年間、保険金の払い出し事故は起きなかった。

しかし、当時から言われていた「クライアントへの経済損失賠償」は、日本の商慣習と、業界の構図からリスクとして保険化しにくかった。つまり保険化することで「賠商慣行の創出」を懸念したのである。
「保険が使えるなら保険で払ってよ」ということになれば、保険会社が「賠償慣行」を創出することになるかもしれないと考えたのだ。

しかし、時代は変わった。

海外クライアントとの契約書にはDuring the term of the Agreement, Service Provider shall at all times maintain not less than $1 million in Professional Liability and $1 million in Comprehensive General Liability insurance coverage. If applicable, Service Provider shall also maintain Workers Compensation insurance coverage as required by law. Service Provider shall furnish insurance certificates.
等と、保険付保を契約書上求めてくる場合がほとんどで、保険をかけなければ契約が結べない。というケースが出てきたわけで、まさにグローバル化により創出されたリスクと負担であると思う。

GCPでは「受託者も被験者に対する賠償と補償」の担保を求めているが、実際はクライアントへの賠償が主たるリスクで、海外のクライアントが海外所管の裁判所で訴訟提起をした場合のリスクを今後考えていかなければならない。

話は変わるが、先日の大雪の被害は想定外であった。TVニュースを見ると、カーポートやベランダの損壊が目立ち、農家はビニールハウスや施設の損壊に茫然としている光景が流されていた。
今後は、雪崩による災害も懸念される。
このように、想定外の災害や事故、ライフサイエンス業界でも被験者に対する賠償以外にも予測して対策を考えてく必要があるだろう。

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施設に対しての賠償判決

先日の治験での死亡事例による賠償判決について、色々と調べています。
興味深いのが問題の補助人工心臓「エバハート」。
国循でも問題が起きていたんですね。
しかし、その後の対応で訴訟に至らなかったようです。今回、女子医大が被告となった背景には「調査拒否」が存在したようで、これが賠償判決に至ったようです。
 ところで、依頼者である「サンメディカル」は「エバハート」の開発者の医師の兄が社長を務めているようで、これまた公正な治験??と首をかしげることであり、判決に影響したのかもしれません。

TSI目線では、依頼者である「サンメディカル」社は当然治験PL保険に加入していたでしょう。
今回の死亡原因はプロトコール記載から逸脱した被験者に対した治験で、被験者選定やモニタリングにCROが関わっていると、今回被告とならなかったものの治験PL保険引き受け保険会社から「求償」される可能性があるんですね。
 それ…から、一般的に施設はIRBで依頼者に対し「保険付保」を求めて安心しているものですが、それだけでは不十分ということが示された点も、見逃せない点です。

先日、世界のライフサイエンス業界でどんな賠償が問題になっているかを学んだのですが、海外(とくにアメリカ)で、治験を行う施設は、そのための「賠償保険」に加入しているとのことでした。
日本の場合は、施設は圧倒的に強いですから「自分が賠償責任を負わされる」という考え方は皆無なのが実態です。
TSIが「グローバル化するリスク」をうたっていますが、国内の施設や大学病院も臨床に対する訴訟リスクには、そろそろ気を使った方が良いのではないかと感じました。
本件はグローバルとは無関係ですが、施設への賠償は、先日のアメリカの話と相まって非常に興味深いこれからのリスクなのでしょう。
TSI(Team Super Insurance)船着久稔

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