クライアントとの契約(CRO)

おはようございます。

TSI船着久稔です。

今日は特に海外のクライアントとの契約について日本とは異なる文化的な背景から理解が必要!というポイントでご案内させていただきます。

海外のクライアントとの契約に「Insurance」の項目があります。つまり「契約にあたってこのように保険に加入すること」という項目です。

さて、例えば「この契約において貴社は我々に賠償責任を負った際に補償できる保険に加入すること」「その付保証明書を提出すること」

この程度の無いようでしたらそれほど神経質になる保津要はありません。

気にする必要がないというのは実際に賠償責任は負わない。ということではなく、どのような保険に加入するべきか。ということで神経質になる必要がないということです。

気を付けなければならない契約内容についてご案内させていただきます。

「貴社がわが社に経済損失を与えた場合、その損失を補償する保険に加入してその付保証明書を提示すること」等という内容ですと、保険種目が具体的なので気を使う必要があります。

errors or omission 業務過誤などにより試験をやり直さなければならなくなった時の経済損失賠償を担保した保険。等が具体的ですが、他にも「PL保険に加入すること」「従業員に対する賠償保険に加入すること」等が見受けられます。

もっともクライアント側も保険に精通しているわけではなく、そもそもの意味はプロジェクトでもめ事が起こった際に「契約書に書かれてサインした保険に加入していなかったのはそちらの契約違反!」等と裁判等で有利に運ぶために科せられたもの。というのが適当だと思います。

しかし、個個の理解は重要であったりします。実際にに事故が起こる起こらないは別として契約違反を突き付けられるともめ事に不利になったりするわけです。

「なんでもいいから賠償保険に入ってください」という契約書は少ないですが、前述の「賠償保険に加入することと」というだけであれば「施設賠償保険」等の比較的安価な保険料の保険商品に加入しcertificateを提出すれば契約には反しないので問題ないと言えます。

一方で、実際の経済賠償事故には全く意味がない保険契約ですのでそこは理解しておく必要があります。あくまでもクライアントとの契約書通りに保険加入しコストを支払っている。というエビデンスでクライアントが「そういう意味の保険ではない!」となっても「保険種目が書かれていなければわからない」と言えるわけです。

正直、あまりお勧めできる考えでないことはご理解ください。

最近の海外クライアントとの契約書を見ていると保険の内容を理解していないにもかかわらず上から目線で契約書を突き付けてくることが散見される気がするのです。

逆に相手の立場で整理すると解かりやすいのですが、ステークホルダーに対し「契約書に保険に加入するように書いてサインしているのに彼らは保険に入っていなかった」ということで身を守ろうとする意識があるわけです。(保険種目の理解がないにもかかわらず)

よって、この手の話の相談はかなり多く寄せられます。

それから重要なことですが「保険に入れ」ということは「そのコストは負担していただきます」ということも言えることです。

日本のCROをはじめとした会社は、保険付保を求められて保険料をコストとして計算しますが、とくにアメリカでは「OK それじゃ受託費は$○○○です。」という保険料をONした見積もりになるわけで、これは極めてスタンダードな文化です。

「保険に入れ。保険料コストはそちらで払え」というのは乱暴な話だと理解しておくことも重要かもしれません。(無いわけではないのですがね)

当社ではNDAを締結してMSAなどを拝見し相手方クライアントが求めている保険は何か。ということを理解しご案内し、保険料を試算しご検討いただけるようご案内することも行っております。

ご不明な点やご要望がございましたら何なりとご照会下さい。

funatsuki@tmnf-tsi.co.jp

船着久稔

090-9003-7707

 

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CRO保険の現況

お世話様です。

TSI船着久稔です。

最近のCROでの賠償事故はだいぶ少なくなりましたがクライアントからのクレームは増えている気がします。まあ、ほとんどはコストなのですが(ディスカウントを求められているようです)そのような中で気が付いたことがあります。

CRO保険の新規の加入者様の理由が「クライアントから保険加入を契約書上で求められた」ということが一番の理由であることが判明しました。

海外クライアントではなく日本の依頼者からです。

もう数年前ですが「CROのグローバル化」について書いたことがあり、その中でリスクもグローバル化するし商慣習もグローバル化する。と書いたのですが、「依頼者は受託側CRO等に保険付保を求めるのは当たり前」ということと、日本では考えにくい話ですがCRO側も依頼者に保険付保を求めることが海外ではスタンダードな文化です。

さらに保険料コストは受託費にインクルーズして、これもまた当たり前な考え方であるということを書いたのですが前者については ほぼその通りに。後者に関してはまだCRO側に抵抗感があり保険料コストを飲み込んで利益が減っているような状況の会社が多いようです。

代理店ごときが僭越ですが「保険に入るようにという契約なのだからコストはONしますね」という理屈は通じにくいようですね。

別の項目としてでもそこは考えていく必要がありますよね。

日本のCROの立場が強くなって、対等な立場で商取引が出来るようになれば最高ですね。それも海外では当たり前なことですから。

 

funatsuki@tmnf-tsi.co.jp

090-9003-7707

最近、オンラインで座談会形式で海外での治験や臨床研究、CROの海外クライアントの契約等の数社様と始めております。

任意保険なのに「強制保険化」していることで理解を間違えていると保険加入が無意味になるのでサービスで始めました。ご希望がありましたらご連絡ください。

株式会社TSI船着久稔

 

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ようやく投稿できるようになりました。

おはようございます!

船着です。じつはブログにずっと入れないでおりました・・・

理由は業者さんを変更したらさっぱり入れなくなり、原因を双方に問い合わせても「あっちで」「こっちで」となり、仕事優先で放置してしまいました。

昨日、ひょんなことで解決しましたので復活させていただきます。

最近はCRO様からのご照会が多いのですが「サイバー攻撃」についてですかね。現実に被害に遭われたクライアント様もいて保険会社の対応も異なるようになってきました。

保険会社も商品を作りながら「サイバー攻撃で保険金を支払うようなことはまだ先だな」等と思っていた節があるように感じます。

それは、現実に「億」単位の保険金支払いがなされる事案が起き始めたら保険引き受けにも各社の対応がバタバタし始めたことです。1社は最近引き受けをするようになりましたが事前のヒアリング等で引き受け可否を決めたり、保険金を支払った会社は次年度保険料をドカン!と値上げしてみたりと、いろいろな感じです。

また、EUのクライアントから業務を受託するような場合「サイバーリスクにどのような対策を講じているか」等の問い合わせ+保険に入るようなMSAになることも一般的になったようです。

さて、今日はこの辺で。
復活のご案内が主旨ですので。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ライフサイエンス業界専門保険代理店 株式会社TSI船着久稔

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臨床試験の被験者に対する賠償・補償 額の考え方

TSI船着です。

最近よく質問を受けるのが、臨床試験で賠償保険に加入する場合、限度額はいくらが妥当か?というものです。

結論から申し上げると、試験の内容による・・・につきるのですが、実態は少し異なり、IRBの判断により決める場合があります。

つまり、がんのphaseⅡなどは、就業していない(出来ない)場合の被験者も少なくありません。一概には言えないのですが、賠償額の算出には「ライプニッツ」や「ホフマン」と言った係数が用いられます。

この二つとも、年収や、就業可能年数などを基礎にして「逸失利益」を算出し賠償額の目安を計算します。

つまり、非就業者は賠償額が低くなる傾向があるわけです。

そこで、依頼者から「賠償保険限度額」をいくらに設定すればよいか?という質問が来ると「〇〇ぐらいで良いのではないか」と案内します。しかし、IRBでは「少なすぎる」として3億円とか5億円の賠償限度額の保険契約をいただくことが少なくありません。

無駄ではないのかもしれません。ICFに「試験は賠償保険に加入している」というようなことが書かれていれば、被験者から限度額を確認されることもアリ、あまり少なければ理解を得られず被験者が集まらないような場合もあるからです。

問題は、IRBが理解の上進むものであれば良いのですが、イメージで保険金額を上げれば保険料コストも増えるわけで、プロジェクトの全体を考慮したスペックが必要だなぁ・・・と考えることも、時々あるわけです。

保険代理店の立場では僭越で言い出せない事実ですが・・・

 

よろしくお願いします。

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医師主導治験 海外編

医師主導治験にも、国内と海外があり、今回は海外での医師主導治験に「被験物質」を提供する際に考えておくべきリスクと適用する賠償責任保険のことでご案内します。

海外で行われる医師主導治験に、積極的に参加する。またはプロトコル作成や、共同で試験を行う場合は、治験リスクとして「被験者に対する健康被害」に対し賠償能力を保険等で担保しておくことが一般的です。

おそらく、MSA等でも「共同実施」について「Insurance」については取り決めがなされると思いますので、都度ご相談ください。

一方で、被験物質の提供のみで、責任医師、プロトコル作成、施設やCROは全て依頼者が手配するような場合、被験物質を提供する企業等が考えるべきことは、治験リスクや医療過誤に対するものではなく、被験物質そのものが引き起こす「健康被害」による賠償を担保した「医薬品PL保険」を用いることになります。

この部分は、保険会社に相談しても理解されることはほとんど期待できずに、海外治験PL保険を契約して進むことが散見されます。

TSIでも、プロトコルを拝見したり、資料をかなり詳しく紐解き、「MSAにてInsuranceを求められているけど、これはどの保険商品で賄うのが適切か」ということに気を使う場面が時々出てきます。

よろしくお願いします。

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臨床試験の賠償保険の契約の話

大変ご無沙汰です。

コロナ禍の中、試験が止まってしまったりで、仕事のほとんどが、治験や臨床研究の保険についての契約内容や、施設やいろいろな関係各所との契約内容についてのご相談がほとんどでした。
これもまた、理解を深めていただくことに有意義な時間であったと、前向きに考えております。

まず、保険契約に、3つの補償発動のタイミングがあり、「事故発生ベース」「賠償請求ベース」「賠償請求報告ベース」はあります。
要するに、それぞれのタイミングが発生した時に保険期間中であるか。
というところがポイントです。

代理店としてありがたいのは「賠償請求報告ベース」で、今日はこの契約内容についてお話しします。

「賠償請求報告ベース」(claim report base)
臨床試験で、被験者から賠償請求が来そうな案件が起きてしまった…
このことを、代理店、または保険会社に「報告」いただくことで、保険会社は対応を開始します。
結果、賠償請求や訴訟に至ることなく解決する場合が多いのですが、それは、初期対応が「賠償問題」にとても重要だからです。

具体的なことは、funatsuki@tmnf-tsi.co.jpにメールをいただければご案内させていただきます。

(案件をこちらで紹介すると、特定される可能性がありますから控えます)

特に、海外で試験を行う場合は「初動」が重要になることがありますので保険契約のbaseを確認してみてください。

よろしくお願いします。

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コロナがひと段落

お世話になります。TSI船着です。
未曾有のコロナ禍を体験し、いろいろと考えることがありました。

今回のコロナ騒動で、臨床試験、治験、臨床研究のワードがクローズアップされ、一般の方も言葉を知ってくれたことは良かったことだと考えています。
しかし、プロセスの説明が報道では、ずいぶん端折って、「難しいだろうな…」ということは、開発にかかわる方なら同意いただけることだと思います。
安全性の確認までは、比較的スムーズにいくでしょう。ほとんどの開発が同じように、フェーズ1で特に問題が出ることは少なく、今回の治験や臨床研究は国策に近いもので、GCP上の被験者保護もきちんと国が賄ってくれているものと信じます。

さて、有効性やその先の試験になると、いかに国策といえども一般と違い開発スピードが極端に早く進むということは考えにくいのですが、いかがでしょう。

ワクチンはなかなか難しいというののが、私の理解なのですが、希望、期待通りいくのでしょうかね。
治療薬も同様で、どうも発信に気を遣うところです。

たとえば、2は患者が多い国で実施するのでしょうかね?

いま、このような発言はいけないのでしょうか・・・
よろしくお願いします。

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コロナ関連の臨床研究について

未曾有と言われる、コロナ禍で、着実に進んでいるのが「臨床研究」で、弊社にも数件お問い合わせをいただいております。

弊社はライフサイエンス系の専門保険代理店ですので、ワクチン開発や治療薬の「ひと試験」に対応する賠償・補償の保険付保についての問い合わせです。

当初、国難であり、国が進める開発研究であるので「賠償・補償」は国家賠償のような考えで、弊社の出番は無いだろうと考えていたのですが、民間の保険付保も必要なケースが多いようです。

まあ、事情を聴けば「納得」するのです。

本日は、告知のみです。
ワクチン開発、研究、治験、に関する賠償保険の引き受けは可能ですので、ご相談をお待ち申し上げます。

ICFに多少、記述をお願いする場合があります。
なお、国際共同治験、海外承認薬の国内試験等も同様にお引き受けが可能です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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国際共同治験 賠償事案

おはようございます。すっかりご無沙汰してしまいました。もっとも、どれだけの人が見てくれているのか(笑)

さて、本日はCROが請求された賠償事案です。

国際共同治験でした。

モニターの一人が仕事を「ぬかった」ことによりデーターが使えなくなり、そのことに対する経済損失の賠償事案です。

CROは、クライアントから業務を受託したわけで、その成果物が不十分で使えなければ賠償請求されることはありうることです。
国際共同治験の場合、国、またはスタッフの意識によって、クライアントが求めることに不十分、またはGCP違反に問われることは少なからず起こりえます。
きちんとしたSOPを備えても、現場では俗人的に進む場合もありますよね。

問題は、クライアントからすれば「個人の過誤や怠慢」は関係なく、契約不履行により賠償を求めてくるので備えなければならないということです。

先ずは、教育、契約内容、最後に「賠償保険」なのだろうな。
と、思います。

よろしくお願いします。

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保険代理店との守秘義務契約

こんにちは。TSI船着です。

本題にいきなり入りますが、弊社ではかなり以前から「守秘義務契約書」の締結にご対応しております。

NDAを保険会社、保険代理店に依頼をした際に「保険会社や代理店は守秘義務がありますので」と言われたことはありませんか?
その通りで、法律上も守秘義務を負っていることが事実です。

しかし、NDAは違う意味合いを持つ場合があります。
プロセスです。社内や関係先に、保険の見積もりを依頼した代理店にプロトコルを開示した。「NDAは?」「あ!結んでいません」「それはまずいじゃないか」というような、対外的なハレーションに対応するためです。

これは、業界理解の話かもしれませんが、ライフサイエンス専門保険代理店を標榜している弊社は、積極的とまでは言いませんが、事情を理解し柔軟に対応させていただきます。

よろしくお願いいたします。

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