被験者の健康被害への賠償、補償は、保険商品でなければダメなのか?

おはようございます。TSI船着です。

今日は、そもそも論です。
実態として「健康被害が発生して賠償責任を負うこと」はたまにありますが、ほとんどが保険金請求をして解決することはないのです。

じゃあ、どうしているか?というと、依頼者が自己負担をして「示談」してしまう。
こういう解決が多いように感じます。

損害率(事故率)は低い分野ですので、保険料はもう少し安くても良いように思いますが、保険商品を作るのは保険会社ですので代理店が立ち入れない部分です。

保険加入は必要なのか?
これは、「絶対に必要」と言うものではありません。
GCPにも「保険等を用いて」という表現で、健康被害に対する賠償能力を担保するように書いてあります。
しかし、施設IRBでは、大概保険加入を確認され、入っていないと問題になるようです。

賠償能力とは、支払い能力ですから、依頼者の規模や試験の内容によるところもあると思いますが、保険加入を強く求められることがほとんどです。

CROは、クライアントに「経済損失賠償」を負うことがあります。
業務に過誤があり、試験をやり直さなければならなくなった。等が例ですが、こちらは今後、絶対に必要になると思います。
グローバル化すれば・・・と、案内してきましたが、国内のクライアントからも賠償請求されるようになりましたので検討が必要です。

話を戻して、GCP上の理念の定義が、IRBでは、責任の所在と担保になっているように思えます。

TSIがやることではないかもしれませんが、我が国の臨床試験やライフサイエンスの発展に、考え方の一致が必要な時期だと思うのです。
健康被害が発生した場合、お金で済む話でしょうか。
保険が賄えるのは、「金銭的」な部分だけです。

行政、依頼者、施設、CRO、保険会社。各社同じテーブルで話し合いを行いたい。と考えて、来年から動き始める準備中です。

よろしくお願いします。

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健康食品 トクホ等の試験の保険

おはようございます。TSI船着です。

最近、健康食品でも臨床試験を行うケースが増えてきています。

賠償保険加入率はまちまちですが、検討される企業は増えていますね。
健康食品だから健康被害がないとは言えなくて、以前、濃縮玉ねぎのエキスで、具合の悪くなった被験者がいらっしゃいました。
因果関係が否定できなかったので、補償となりましたが、簡単な治療で回復されましたので「治療費」のみのお支払いで解決いたしました。

健康食品でも、過剰摂取試験や、アレルギーが発症するリスクが否定できない場合、やはりICFに明記された方が良いですね。
依頼者と被験者、両方を守ることになると思います。

よろしくお願いします。

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保険の免責薬剤について(保険のひきうけが出来ないこともあります!)

おはようございます。TSI船着です。

治験PL、臨床研究賠償、各保険に免責薬剤があります。具体的には「後天性免疫不全」や「キノホルム」などですが、今日は保険商品の「免責」についてご案内させていただきます。

保険商品は、性質上「不測の事故」を対象にしたものが多いです。さらに、過去の判例や統計等を基準に、「免責」(保険で持てない、または保険金を払わない)と言うものが存在します。
故意によるものや、重大な過失は当然ですが、過去に重大な副作用により問題となったものや、予測不能な薬剤についても「免責」となっているものがあります。
被験物質そのものではありませんが、胎児の健康被害も「免責」です。

引き受け基準が厳しいものもあります。未成年であったり、妊婦さんであったり、すでに後遺障害が発生している患者さんに対する「補償」などです。

プロトコルが出来上がって、保険の手配となった時に、このような「免責」や「引き受け基準の難しいもの」に該当すると、かなり面倒ですので、なるべく早めに代理店や保険会社に相談してください。

ICFにリスクを記載することや、ベネフィットだけをポジティブに記載したいように等、保険会社とは交渉の余地はあると思います。
そんなことが、TSIの仕事でもあります。

よろしくお願いいたします。

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保険会社の保険料差?特別利益の提供?

おはようございます。TSI船着です。

同じ保険種目でも保険料が違いますよね。でも、あまりにかけ離れている場合は疑ってください。

基本的に保険料は、ほぼ各社同じ料率ですが、企業努力やきちんとした根拠により料率を変更することができます。
気を付けたいのが、「根拠要」で、単純に「他社より保険料を安くする」(値引き)することは出来ない決まりになっています。

医薬品PL保険を例にとりますと、基本的な料率があり、契約者から「根拠」を示す「質問書・申告書」または「事故防止に対するSOP」等がきちんとしていて、事故を起こす確率が低いと認められる。よって保険料率を下げる。ようなプロセスが必要になるのです。

仮にこのプロセスが無く「他社がいくらできているから…」という「値引き」は最悪「特別利益の提供」とみなされ、金融庁からお叱りを受け、適正な保険料を徴収しなさい。ということになります。
痺れるのが、その差額保険料は「契約者様」の負担となってしまうのです。

契約者は「保険会社が出してきた保険料なのだから」と、納得いただけないと思うのですが、ここは曲げられないルールです。
仮に、保険会社または代理店が差額分を負担しても「特別利益の提供」として処分されます。

保険会社も保険代理店も、金融庁監督下の仕事です。
ライフサイエンス業界同様に当局に厳しく指導される業界ですから、あまりかけ離れた保険料差は根拠を示しているか否か確認して検討するようにお願いします。

宜しくお願い致します。

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医薬品業界 保険会社とのやり取り

おはようございます。TSI船着です。

とても大変です。(笑)
言葉が通じないのです。例えば・・・
プロトコル・ICF・IRB・施設・未知の副作用・臨床・治験・医法研・製薬協etc

たとえば、保険会社や代理店に「臨床試験の賠償保険の見積もりをお願いします」と問い合わせた場合、結構な時間がかかります。

TSIには保険会社からも問い合わせが入ります。
先日、保険会社の担当者が「保険料見積もりに際し、試験実施機関との契約書を出してください」とお客さんに依頼したと聞きました。

実態としてはわかるのですが、倫理委員会の前に「契約書」が存在したらGCP違反の可能性もあるのですが、その辺りは保険会社には不明なのです。

まして、保険会社の社員はサラリーマン人生で「ライフサイエンス」に関わる部署に配属されても次は「自動車営業」「建設営業」と様々に転勤しますから、専門性の会得は難しいのが実情です。

TSIはそのような保険会社の部署からも照会を受けています。
保険のルールとかみ合わない場合もあるので、保険商品を作る部署とも話し合ったりしています。

元職の関係で、役所とも話しますし、医法研の方やメーカーの人とも定期的にコンタクトしています。

何が言いたいかというと、保険代理店も「専門性」例えば、建設業の保険、飲食業の保険。言葉も業界事情も分かる。
そういうものでなければ、本当のリスクはわからないともいます。
どういうことで訴訟になるかとかも含めて。

「保険のことは何でもわかる。おまかせください」という代理店も多いですが、これからは保険業界も変わるべきだと思います。
ちなみに、アメリカでは保険ブローカーが専門性を売りにしているケースが多いです。
アメリカ人の保険会社の人に聞きました。

よろしくお願いします。

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付保証明の発行について

おはようございます。TSI船着です。

IRBや、クライアントから保険の「付保証明」を求められることが大概です。
付保証明は、「保険契約が完了していて、証券は間に合わないけれど、きちんと保険が担保されています」という「証明書」です。
つまり、保険証券の代わりです。

ただ、求められるのは「証券」では無く「付保証明」が多いので、証券がお手元に届いてからでもTSIでは保険会社に「付保証明」発行を依頼しています。

時々、保険契約が完了していないタイミングで、依頼をされる場合がありますが、この場合TSIでは「保険契約手続き受託」のペーパーを発行するようにしています。
提出先も、これにより提出期限を猶予していただけるようです。

いずれにしましても、なるべく早い段階で代理店に相談や依頼を頂いておくのが良いと思います。

よろしくお願いします。

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治験PL保険、見積もりに必要な資料

おはようございます。TSI船着です。

治験PL保険の保険料試算と引き受けの判断に必要な資料をご案内させていただきます。
①質問書または申告書(保険会社のフォームがあります)
②プロトコル(ドラフト可)ICF(ドラフト可)
この2点になります。

保険金額と免責金額もご希望をお伝えください。

試算はすぐに完了しますが、保険会社によっては引き受け可否に時間がかかります(特に補償部分)

プロトコルを開示していただくことに必要な「守秘義務契約書」はひな形を要してありますので、必要に応じご依頼ください。
お客様のフォームでももちろん構いません。

昨日は1週間後のIRBに必要な「付保証明」をご依頼いただきましたが、対応可能です。

よろしくお願いします。

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治験保険 臨床研究保険の見積もりに要する時間について

おはようございます。TSI船着でございます。

各保険につきまして、保険料試算に要する時間をご案内します。

治験保険(治験PL)の方が早く試算が完了します。※賠償責任のみの場合
補償も担保するようですと引き受けにつき検討させていただく場合があります。その場合は最大で2週間ほどかかる場合があります。

保険料試算とお引き受けの判断に必要になりますので「プロトコル」「ICF」もご用意ください。
プラス各保険会社の質問書または申告書により保険料試算を行います。
スムーズな場合は1~3日でお見積もりをすることが可能です。(プロトコル、ICFはドラフトでも構いません)

臨床研究保険は、治験保険に比べて多少お時間がかかります。
場合によってはお引き受けできない場合がありますので、プロジェクトにタイミングでご相談ください。

弊社では、事情を理解して最速でご案内できるよう心得ております。
業界の用語も通じますので、ご安心ください。

IRBの直前に保険契約の必要性が明らかになり、至急見積もりのケースが多くあります。
大丈夫なのですが、1年後でも2年後でも構いませんので、早めにご相談いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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医師主導治験の賠償保険

おはようございます。TSI船着です。

医師主導治験でも、被験者の健康被害に対する「賠償と補償」の考え方は不変ですが、AROのIRB提出資料を確認すると、医師主導と企業治験と差がありました。保険の「付保証明」の要、不要です。

医師主導治験は治療行為との境が分かりづらいので、「健康被害が起きた場合は同施設で適切な治療を行う。」とすれば、保険商品に頼る必要もないと思います。

企業治験の場合も同様と言えるのですが、被験物質が健康被害の要因である場合は、企業に責任が及ぶことが考えられます。
よって、エビデンスも含め「保険商品による賠償と補償の担保」が求められるものだと思います。

あと、施設もIRBを開いて、試験を進める決断をしたものであるので、万が一健康被害が発生して被験者に訴えられた場合共同被告となる可能性は捨てきれません。
つまり、企業が保険加入していることを確認すれば、「一切責任を免れる」そういうものではないと思います。

現在、企業、施設、行政、立法を含めた我が国の「臨床試験に必要な考えと課題」の話し合いを進めています。
それぞれが、専門家で抜かりが無いのですが、点を面でコーディネートしなければ日本のライフサイエンスはどこかの国と同じで、ポジティブな願いだけで被験者が取り残されることを懸念しています。

よろしくお願いします。

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治験・臨床研究、健康被害発生時の保険金支払い

おはようございます。TSI船着です。

ヒト試験で健康被害が発生した場合の保険会社の対応についてご案内します。

先ずは、ご契約いただいている保険が「事故発生ベース」か「賠償請求ベース」「賠償請求報告ベース」か確認してください。
先生、または被験者から「健康被害の発生」の一報が来た。
「事故発生ベース」 試験による健康被害が明らかであれば、代理店、または保険会社に連絡をしてください。即応します
「損害賠償請求ベース」先ずは同様に連絡をください。保険の発動は実際に相手方から(本人または弁護士、裁判所)から書面等による賠償請求等の請求が来てからの対応になります。それまで保険は発動しません。さらに賠償請求された時点が保険期間か?がポイントになります。(保険としては頼りないと個人的に思う保険契約です)
「賠償請求報告ベース」上記より、少し範囲が広がります。先ずは同様に連絡をお願いします。この時点から保険会社は「有・無責」を判断するために調査を行います。
調査は、責任医師や依頼者に保険会社の調査を担当するものが行います。(報告された時点が保険期間であるかも要件)
この、「賠償請求ベース」がヒト試験の賠償・補償保険で一番適切だと思います。

保険金の支払われ方。
賠償は、決まった係数により金額を算出します。被験者が同意であれば、すぐに支払います。
支払額に納得が得られなければ次の段階に進みます。具体的には個々の話し合いか調停、または訴訟です。
補償は、因果関係があれば決められた額が支払われます。(因果関係が認められない場合は、医師や依頼者と相談して判断します)

ところで… どれぐらいの頻度で、賠償事故は発生するのでしょう…
健康被害事故は、多くは無いものの発生しているはずです。
ただ、保険金で賠償金を払った例は、ほぼゼロに近いと思います。
補償は、別で、たまに支払うことがあります。

プロトコルから逸脱したり、被験者の適合性を無視したりと、なった場合は「賠償責任」となりますが、そこは皆さん慎重なので、「賠償事故」というケースは少ないです。(言葉を選ばずに言えば、「言いがかり的」な請求はあります)

試験による賠償が表に出たのは、補助人工心臓がありますが、情報開示を拒んだことにより「裁判所」が賠償責任を判断したと記憶しています。

補償なのですが、ほとんど無過失責任で「健康被害」を申し立てられれば、対応しなければなりません。
拒めば、賠償に発展するかもしれません。

この件は、長くなるので詳しくはTSIまでご相談ください。

不明な点があることが一番不安なのですよね。
「なにが起こるかわからない」「どんなことになるのかわからない」

ボランティアの方々も様々です。
ダメなのに、潜り抜けて複数の試験に参加されている方もいらっしゃいます。

とはいえ、健康被害を「否定」することは依頼者として難しいです。

ここは、正々堂々といきたいもので、専門保険代理店の役割だと自認しております。

よろしくお願いいたします。

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