ヒト試験 賠償事故事例

おはようございます。船着です。

良く、「被験者の健康被害で保険金を払ったことはあるか」と聞かれます。

結論から申し上げると、賠償保険金を払ったことはありません。
※事故はあったけど、被害者(被験者)が訴えなかった。

何故でしょう?
保険を使うと、周知な健康被害例となってしまうことに抵抗があるからでしょうか。

補償で保険金を払った例はあります。

いずれにしても、健康被害が発生して保険会社に報告が来ると「原因調査」を行います。
調査先はほとんどが責任医師です。
そうなると、だいたい被験物質による健康被害と結論が出ます(実際は違うかな?と思うこともあります)

ICFはとても重要です。被験者や家族が了解していれば「賠償責任追及」に至ることは少なくなります。
あ!あくまでも国内です。

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保険会社がやってはいけないこと

こんにちは。船着です。

ちょっと不味い話です。どこの保険会社かは言いませんけど、海外での試験の話です。
これは、保険商品に対して無知だったために起こった事案で、保険会社が一方的に悪い話です。

3年前から行われている規模の比較的大きな試験です。
保険商品は「海外治験PL保険」
この商品には「補償特約」が存在しません。つまり「賠償」のみの保険です。

現地のIRBは英語のcertificateをもって、当時通ってしまいました。IRBも保険に不案内であることは日常です。

依頼者は保険契約の際にプロトコルとICF補償SOPをもって、保険会社と契約しました。
つまり、補償も担保されていると思ったわけです。この時点で説明しなければダメなものです。

おそらく、保険会社の社員も知らなかったのでしょう。(よくある話です)

さあ!このタイミングで「補償」の付保の問い合わせが現地IRBから入りました。
保険会社は当時の担当者と変わっていて「補償は担保されていませんよ」と回答しました。
依頼者(保険契約者)は驚きました。

そこで相談を受けたのですが…

詳細は割愛します。

その保険会社は、「補償も担保している」というcertificateを発行した。というのです????????????
約款が無いのに?なんで?

インチキじゃない。

問いただしました。

実際の事故が起こったら、保険契約者に訴訟を起こしてもらい「損害賠償」として対応する。といのが!!!!!!
これ、本当の話なのです。

せめて試験が終わったら、保険契約者に 正直に話すべきだと思います。

まあ、レアケースと信じていますが。
海外治験PL保険に補償責任を担保出来るのは、数少ない保険会社しかないので注意が必要です。

これ、金融庁が知ったら不味いっすね

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CROが賠償責任を負うケース

おはようございます。船着です。

CROの賠償保険があります。

「CROは健康被害とか関係ないのでは?」と思われますが、その通りで、被験者に対する健康被害で賠償責任を負うことはまずないでしょう。GCPには依頼者同様に責任が有る旨書いてありますが、実態として無いと思います。

どんな場合に賠償責任を負うか。
〇モニタリングに間違いや問題があり、試験をやり直さなければならなくなった。
〇管理中の被験物質を汚損、棄損等の損害を与えた。
〇CRFやEDCから情報漏洩を起こした
〇施設や訪問先で器物を破損した、第三者の身体に損害を与えた

そんな場合ですね。
ちなみに、試験のやり直しに〇〇億円の賠償請求をされる場合もありました。

外国のクライアントとの契約であれば、賠償責任保険に加入することが契約書の最後の方に書かれていることが一般的です。
これは、E&O(error&omission)の保険という意味です。
違う保険に入っているケースを何件か見ましたが、場合によっては「契約違反」みたいな言いがかりをつけられる場合もありますから確認が必要ですね。

あと、契約書に書かれている「裁判管轄地」も要チェックです。New Yorkとか書かれていたらイザというとき痺れます。
つまり、被験者に対してよりクライアントに対する賠償がほとんどです。
気を付けましょうね。

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未承認被験物質の貸与 保険のかけ方

おはようございます。船着です

自社の開発した「承認前」の被験物質を、例えば貸与して、貸与先が臨床試験を行う場合の保険の考え方について説明します。

貸与されて試験を行う施設、または責任医師は「臨床研究賠償保険」等の「被験者に対する健康被害」に対する保険付保を検討してください。

一方で「貸与側の企業等」は、基本的に賠償責任を負うことは少ないですが「医薬品PL」(承認前なので保険会社の承認が必要です)
または「ライフサイエンス賠償保険」に加入しておくと安心です。

リスクが全くないわけでもなく、備えておくと安心ですね。コストと相談して検討してください。

ちなみに、外国に「被験物質」の提供を行い、試験をする場合「提供元」も保険加入を求められることが多いです。
保険会社の社員に「承認前の被験物質」と「概要書」等の資料を出さずに「保険お引き受け」を依頼しても無理だと思います。
一般的な「PL保険」は承認後の医薬品を対象としています。未承認物質を別の者が使用して行う試験・・・
案外あるのですが、保険と薬、両方の知識で商品を組み立てないとダメなんですよ。

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臨床試験での事故(賠償請求)

おはようございます。船着です。

臨床試験での賠償事故ってどれぐらい起こっているかご存知でしょうか。
はい、治験、臨床研究、医師主導も含みます。

正直なところ、ほぼないと思います。
賠償責任を負う場合はどんなケースなのかを考えると分かりやすいと思うのですが…
〇プロトコルから逸脱して行われたもの
〇ICFが不十分で説明になかった健康被害が発生し多様な場合。
まだありますけど、この時点で「あんまりないだろうな」と思われると思います。
※補償責任は別です。よく保険請求を耳にします。

では、なぜ「賠償保険」に加入するのでしょう。
それは、万が一の責任だからです。その責任を果たす能力を持たないものは「人試験」を行わない方が良い。という「倫理」的なものが一つと、施設IRBからの強い要求と、GCP14条から検討されるものだと理解しています。

無保険は論外ですが、悩まし話「オーバースペック」な保険付保も無駄だと思います。
何もかも保険で!というのもコストを考えれば… どうなのでしょう?

物凄く大事なのは、被験者は「人間」であり、リスクを与える事実です。
このことに、無計画ではGCPをさておいておいて、人としてどうなのか。という思いが大切なのだと思います。

されど「コスト」
これは適正であるべきですね。

いつも考えています。

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臨床試験中の地震について

おはようございます。船着です。

北海道で地震が発生しました。
じつは亡き父の故郷でもあり、気になるところです。
お見舞い申し上げます。

さて、臨床試験中に地震が発生して、被験者に健康被害が発生した場合、依頼者、施設は賠償責任を負うのでしょうか。
答えは「賠償責任を負うことは少ない」です。
地震を原因としないと判断される場合は、賠償保険で補償されるのですが、基本的に「地震等による損害は免責」となります。

治験や臨床研究に限らず、「賠償責任保険」は「地震」を免責としています。
理由は、「賠償責任が発生しない」からです。

言い方を変えれば、「保険の発動のポイントは、賠償責任があるかどうか」ということです。
一般論ではそうですが、訴訟の結果「賠償責任が有り」となれば保険金は支払われるでしょう。

来月、父の墓参りに北海道へ行く予定です。
TVで見ると震度5だったようで・・・
お墓倒れちゃったかな。

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再生医療の試験と賠償保険

おはようございます。船着です。

「再生医療の臨床試験が〇〇で始まりました」
最近ニュースでもよく耳にします。

IPSはじめ、再生医療の進歩と期待は待ち望まれ、頼もしい限りですね。

さて、再生医療等の臨床試験に、もし賠償保険を掛けるとしたら「治験」「臨床研究」を担保した保険に入る必要があります。
もっとも、性質上「治療の手段」となる場合もありますので、民間の賠償保険に加入する場合は「専門の保険代理店や保険会社」に確認することをお勧めします。

プロトコルが存在して、IRBが行われ、人試験が行われるなら「治験PL保険」「ライフサイエンス賠償保険」で補償されますが、治療、医療行為の延長である場合もあるでしょう。
この場合、賠償保険の種類が違うのです。

( ^ω^)・・・
みたことありますよ。
保険契約はきちんとしてないと意味がないばかりか、保険料は「コスト」です。
AMEDとかからお金が出るとしたら…
まあ、あまり語らないことにします。

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海外治験(韓国編)

おはようございます。船着です。

韓国も治験を積極的に受け入れています。
補償ガイドラインも国が定めているそうです。(日本は医法研ガイドラインが一般的)
国が決めるガイドラインってどのようなものか、韓国語が分かれば読んでみたいです。

たいがいCROに頼んで進めるのですが、韓国の保険会社に精通している人に聞いて「はあ」と思うことがありました。
とても素晴らしいガイドラインで、依頼者はプロトコルに堂々と「ガイドライン名」を記して、被験者の健康被害に対する理念と万が一の賠償と補償に対応すると書いてあるそうです。

保険側から見ると「そんな補償を受けられるの?(保険商品で)」となるそうですが、実際は保険で担保はしていないそうです。
自己負担できるような内容でもないらしい…
つまり、立派なことは書いても、そのための策は講じていないのだそうです。
事実関係は、今度 確認しますが、総じて言えることは「ポジティブなガイドラインが先進国の確たるや」というのは・・・
ちょっと疑問です。

話はそれますが、インドでは「因果関係が無くても補償対象」としたことで「治験」が事実上できなくなってしまいました。

日本も補償は手厚くなる傾向にあります。
その時に、引き受ける保険会社がなくなってしまう…
十分懸念されることです。

私見ですが、ABPIガイドラインが、一番良いな。と思っています。あくまで私見です。

ありがとうございました。

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賠償と補償(GCPや臨床研究法)

おはようございます。船着です。

タイトルの質問が、たま~に来ます。

GCPや臨床研究法でも「保険等で」って書いてありますし、倫理的に考えておかなければならないけれど具体的にどうすれば…

まあ、大概の方はご存知とは思いますが、補償のガイドラインは「医法研ガイドライン」を用いることが多いようです。
健常人は「政府労災に準じ」患者は「医薬品副作用被害救済制度に準じ」というものがスタンダードです。

少し長くなるのですが、賠償は「法律上負うもの」補償は「依頼者と被験者の約束」と大まかに違いがあります。
※海外では考え方が違うので後日案内します。

保険商品では「賠償保険」の特約に「補償責任」を追加します。(一部の保険会社はインクルーズされていています)

いずれにしても、当局が、省令や法律で「被験者保護」を義務化していますが、どのように対応することがベストなのかは「依頼者や当事者で考えなさい」というのが厚労省の考えのようです。
保険商品は保険会社で考えなさい。とも言われました。
当たり前と言えば当たり前なのですが、当の保険会社も理解できていないことが多いようで、相談される保険契約に首をかしげることも少なくありません。

補償内容を充実させて、被験者にアピールして参加者を確保してスムーズにしたいということは誰でも考えますし望ましいことです。
だけど・・・ その補償担保は「保険商品」に頼ることを前提としているなら、保険商品の内容について事前に「担保できてるか」「担保できてないか」確認しておくべきですよね。

たまに、「このプロトコルとSOPで承認とったんだから、保険で持てない部分があるのは困る!」と怒られることがありますが、そうではないと思います。

理解の不十分なことほど怖いものですよね。

先日は、PMDAのホームページの「医薬品副作用被害救済制度」補償内容と「医法研ガイドライン」の「医薬品被害救済制度に準じて」は少し違うし、目的が異なる旨の案内をしました。
誰も説明してくれないから混乱しますよね。

本当はCROがその辺りも整理してくれるとありがたいと考えています。

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治験&臨床研究の賠償と補償

治験はGCP、臨床研究は臨床研究法、それぞれ14条と20条で 被験者の健康被害について「保険等で」賠償能力を担保することが望ましいと書かれております。

基本、任意なのですが 施設IRBや、臨床研究であれば「計画書」のフォームに「加入保険の内容」を書く項目が4にあるので、ほぼほぼ「強制保険」に近い性質になっています。

もっとも、ICH-GCPやヘルシンキ宣言の理念からすれば、依頼者や責任医師は当然配慮して備えるものですね。

ただ・・・

保険会社に「試験の内容」とか「言葉」とか通じないことが大概ですね。

理由は様々ですが、保険会社にライフサイエンス業界の事情とかを理解している人がいないのが原因だと思います。

1例をあげたら(笑)
「施設の倫理委員会に保険の付保証明を出さなければいけないので早く保険契約したい」と言っても、保険会社から「それでは施設との契約書を見せてくださいとか」
これってGCP違反ですよね。
このタイミングで依頼者と施設が契約していたら。

そういったことを整理して、きちんとした保険契約をしないと「健康被害の担保」がなされていない保険加入&付保証明提出。なんてことになることもあるのです。

施設も保険のことは解らない場合がほとんどなので、そのまま走っている試験も あるよ~ですよ。

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